子どものころ、水の中が好きでした。
最初は、競泳に夢中でした。
もっと速く泳げるようになりたい、前へ前へと進む感覚が楽しくて。
毎日のように泳いでいると、水が自分の居場所のように思えてきました。
そのうち、シンクロナイズドスイミング(いまはアーティスティックスイミングという名前ですね)にも取り組むようになって、音楽に合わせて、仲間と動きをそろえることの楽しさに、すっかり魅了されました。
水の中で演技をしながら、自分の体を丁寧にコントロールしていく時間。
競泳とはまったく違う集中力が必要で、でも、どちらもとても好きでした。
思い通りに体を動かせたときの、あの静かなうれしさ。
それが、最初の「運動って楽しい」という記憶です。
補助トレーニングで始めた筋トレや縄跳びでは、足にモーターがついたみたいに、ぐんぐん力がついてくる。
「わたし、強くなってる」って感じた、あの頃の気持ちは今も忘れていません。
もう一度、体を変えるってすごいなと思ったのは、自分の結婚式のとき。
「こうなりたい」と思った自分に近づくために、本気でトレーニングしました。
その結果、鏡に映る自分がちょっと誇らしく思えて、気づいたら、気持ちまで前向きになっていました。
体が変わると、心が変わる。
これは、何度でも言いたいことです。
だから私は、この仕事をしています。
トレーニングを通じて、誰かの毎日にそっと風を送るような、そんな存在になれたらと、いつも思っています。
でも、簡単だったわけではありません。
ヨガもピラティスも、初めはまったくの未経験。
言葉で伝えることの難しさにも、何度もぶつかりました。
どうすれば、うまく伝わるんだろう。
どうすれば、その人の心と体に届くんだろう。
答えはいつも、すぐには見つからないけれど、ちゃんと向き合えば、少しずつ見えてくるんです。
あるとき、ちょっと不安そうに通ってくださっていた方が、少しずつ笑顔になって、ある日ふっと「ありがとう」って言ってくれました。
たぶん、私は一生この「ありがとう」を覚えていると思います。
わたしのトレーニングは、がんばりすぎません。
でも、ちゃんとやりきったと思える時間を大切にします。
今日の小さな変化を一緒に見つけて、「やったね」と笑いあえる時間をつくりたいんです。
「元気が出るんです」
「ここだけは長く続いているんです」
そんな声をいただけるたびに、やっぱり、この仕事が好きだなあと思います。
はじめて来たときと、帰るとき。
表情がすこし明るくなっていること、実はよくあります。
それだけで、うれしくなるんです。
NORIKO


水の中で覚えた、“楽しい”という感覚
- プロサポートジャパン認定
パーソナルトレーナー - 女性専門トレーナー